一生のうち絶対に読んでおくべき名作小説4選

最も有名な古典書の『源氏物語』が11世紀に遡るなど、日本文学史は長く、かつ際立った歴史を持っています。日本文学は、文化的に優れた日本社会の特異性を示しており、しばしば陰鬱でありながらも、喜劇に満ちています。

そこで今回は、村上春樹の言葉から川端康成の言葉まで、一生のうちに読んでおくべき文学作品を4つご紹介します。

村上龍『限りなく透明に近いブルー』(1976年)

村上龍は、武蔵野美術大学在学中に『限りなく透明に近いブルー』を執筆し、芥川賞を受賞した作家。

小説『限りなく透明に近いブルー』は1970年代半ばを舞台に、堕落した若者たちの姿を描いた作品で、セックス、ドラッグ、ロックンロールといったテーマが含まれています。村上は、ドラッグを手に入れることばかりを心配する仲間たちの思考と身体についての、不安に満ちた物語へと読者を連れ出します。

ある一部の評論家は、下品でわがまますぎると同作品を批判しましたが、村上はメスカリンによる幻覚や、思いがけない残酷な行為などを躊躇うことなく鮮明に描くことで、主人公たちの人生をより空虚で平凡なものとしてうまく表現しています。

三島由紀夫『真夏の死』(1953年)

『真夏の死』は、ダークなユーモアと緊迫した人間関係が描かれた、三島由紀夫による素晴らしい短編小説集です。

表題ともなっている『真夏の死』は、まさにそのような物語で、長い夏の日の抑圧的な暑さや鈍い遅さと、破滅的な悲劇の即時性とが鋭く対比されています。三島は詩人、劇作家、俳優としても活躍し、ノーベル文学賞の有力候補と目されていました。

本書には、ほかにも、悟りを開く寸前の僧侶が王妃の姿に誘われて人間の世界に戻ってきてしまう物語、能楽の現代的な翻案、日本の中尉の儀式的な切腹における内臓の描写などが含まれます。

三島が45歳の時に切腹して亡くなったことと、このとても詳らかな切腹の物語が似ていることから、読者はより一層の恐怖を感じることでしょう。

小川洋子『ダイヴィング・プール』(1990年)

『ダイビング・プール』『妊娠カレンダー』『ドミトリイ』は、物語の主要な登場人物に読者を没入させる3作の小説で、孤立した場所から世界を観察する女性が主人公となっています。

『ダイビング・プール』では、両親が孤児院を経営しており、身近なところでは唯一、実の両親に育てられている少女「彩」が登場します。

まるでトンネルか望遠鏡でも通して自分の人生を見ているかのようで、彩は愛と残酷さに満ちた行いを興味のない口調で語ります。

小川は、その優れた文章力と鋭い洞察力で、文章にひねりを加える小説家として知られています。

円地文子『女坂』(1957年)

『女坂』は、明治時代を舞台に、苦しみを描いた素晴らしい物語。この小説のヒロインである倫は、浮気をした夫との結婚生活に苦しみ、新しい女性と出会うたびに、自らの状況を改善できないことに悩みます。

円地文子は著名な作家であり、同作品では、家父長制の社会における女性の葛藤を描いています。明治時代を舞台としていますが、登場人物とその試練は、現代の読者にも十分通用するものでしょう。